【3】語学学習は、まず自分の言語を基準に始めてみる
韓国とことば
― 「だいたい同じ」では、話せるようにならない―
文法は勉強した。単語も覚えた。なのに、いざ話そうとすると迷ってしまう。外国語学習では、そんな場面が意外と多いものです。
もちろん、文法は大切です。特に大人の学習では、ある程度の文法理解がないと、学んだことが頭の中で整理されにくくなります。単語を増やすことも必要です。
ただ、それだけでは足りません。
外国語が難しいのは、単語や文法を知らないからだけではなく、その場面でいちばん自然な言い方を選ぶことが難しいからです。

似たような意味の言葉でも、場面が変われば使う単語は変わります。同じ内容でも、何を先に言うか、どこを強く出すかで表現は変わります。しかも、教える人によって説明も少しずつ違います。
「こういうニュアンスです」
「こういう時に使います」
そう説明されて、わかった気はするのに、実際にはまだ自分の言葉として使えない。そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。

だからこそ、語学学習の最初の段階では、最初から外国語を外国語の感覚だけで追いかけるのではなく、まず自分がいちばん自在に使える言語を基準にして考えてみることが大切だと思います。
自分の言語であれば、どの言い方が自然か、どの単語が今の場面に合うか、同じ内容でもどう言い換えれば伝わりやすいかを、ある程度は判断できます。普段は意識していなくても、私たちはいつもそうした選択をしています。
その感覚を基準にして外国語を見ると、見え方が変わってきます。自分の言語ではこう言うのに、こちらの言語ではこう表現するのか。同じ意味に見えても、焦点の置き方が違うのか。文法としては合っていても、この場面では別の言い方のほうが自然なのか。そうした違いが、少しずつ見えてきます。

大人の語学学習には、文法も必要です。でも、それだけでは足りません。文法で形をつかみながら、自分の言語を基準にして表現の違いを理解していく。その積み重ねが、覚えた知識を実際に使える言葉に変えていくのだと思います。
語学学習は、最初から遠くにある正解を探しに行くものではないのかもしれません。むしろ、いちばん身近な自分の言語を出発点にしたほうが、学びはもっと現実的で、もっと深くなる。

まずは、自分の言語を基準にして考えてみる。語学学習は、そこから少し変わり始めるのかもしれません。

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